吾妻鉱山
吾妻鉱山は、草津白根山周辺の山の中にあった3つの硫黄鉱山のうちの1つです。一時期は活気を呈していましたが、公害による工場の排煙対策で硫黄が煙から分離できるようになると、需要が急激に落ち込み、次々に閉山に追い込まれました。40年近く前のことです。
父は、その吾妻鉱山に併設された小中学校の新任校長として赴任したのでした。当時は交通の便が悪くて父は週末にしか帰れず、小学生の私と母はほとんど母子家庭として生活していました。でも、一回だけ、吾妻鉱山に連れていってもらったことがあります。その時は、採掘された大量の硫黄の山、従業員が住むたくさんの寄宿舎、そしてその子供たちが通う学校を、とても興味深く眺めたものでした。そして、冬には人の背丈よりも雪が積もると話を聞かされ、その時の生活を想像したものです。
この吾妻鉱山も、父が校長の代で閉山となり、その後しばらくして夏場の避暑地のテニスコートとして売り出そうとしましたがうまくいかず、そのまま放置されてしまいました。その吾妻鉱山に、30数年ぶりに行ってきました。
EOS Kiss + SIGMA17-70mm OS
嬬恋の三原から万座までの有料道路から道が分岐する場所には、碑が建っていました。
その隣には、廃屋の前に地蔵様が立てられていました。こんなに時が経っても、まだお参りする人もいるようです。ここの関係者だったのでしょうか。
地蔵様の足下には、かつてここでとれた硫黄が供えられていました。
しばらく歩いて鉱山の敷地につくと、その入り口の両側に立てられた門扉からは、「吾妻鉱山」の字がはぎ取られていました。
そしてその向こうには、たた草原が広がっているだけでした。かつての施設、建物のうちで残されているのは、たった1つ、学校の体育館だけでした。
30数年の時の流れを噛みしめながら、もと来た道をもどりました。来年の春や夏にはまた来て、あたりの植物たちを見てやろうと思います。
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コメント
おはようございます。産まれてすぐから小学校五年まで吾妻鉱山にいたので吾妻鉱山及びこのお地蔵さまへの愛着ははかりしれません。幸せそうな様子に嬉しくなりました。有志の方に感謝感激です。スキーもしたしお盆の地蔵尊供養にはキャラメルを貰うのが楽しみでした。
近いうちに行ってみたいです。
アップ本当にありがとうございました。
投稿: かま猫 | 2010年11月18日 (木) 06時38分
かま猫さん、するともしかしたら、親父をご存知ですか?
ぜひ行ってみてくださいね。
投稿: Frank-Ken | 2010年11月18日 (木) 18時02分
あのぅ~ひょっとしたらH町の M校長先生でしょうか… 確か理科がご専門の…
投稿: かま猫 | 2010年11月18日 (木) 20時07分
あ、それが昨年亡くなった私の親父です。
縁は異なものですね。
投稿: Frank-Ken | 2010年11月19日 (金) 18時38分
ほんとうに驚きです。ご昨日家族のカテゴリーを拝見していて 先生がお亡くなりになったことをしりました。 とても穏やかで優しい印象でしたし いつだったか先生が理科の授業にでてくださりグラウンドで紙飛行機だったかグライダーだったか 飛ばした時にはとても子供たちが興味をそそるような感じにしてくださったのを覚えています。 それから 謝恩会か何かで私が先生の人物画を描くことになり よく似ているとまわりからほめて頂いた思い出もあります。遅ればせながらご冥福をお祈りします。
吾妻鉱山は高山植物の宝庫で このお地蔵さまのいらした山にはショウジョウバカマがたくさん シラタマノキやアカモノ イワカガミなど どの場所なあったからもありありと思い出せます。
投稿: かま猫 | 2010年11月19日 (金) 19時06分
おはようございます。
しつこくコメントお許しください。
また、前のコメントの誤植も。
主人もお父上のことを存じ上げていました。
やはり授業の巧さを絶賛しておりました。
投稿: かま猫 | 2010年11月20日 (土) 05時35分
「主人もお父上のことを存じ上げていました。」ということですが、同郷の方ですか? それとも、吾妻高山以外での教え子ですか?
「やはり授業の巧さを絶賛しておりました。」ということ。ありがとうございます。誇りに思うと共に、ちょっと嫉妬ですね。私はもう「授業」をできませんので、もう「親父に負けるな、越えろ」とはできませんから
投稿: Frank-Ken | 2010年11月20日 (土) 14時37分