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2010年11月20日 (土)

親父のこと

 親父の教え子の方がコメントを下さったので、昨年7月に亡くなった親父の事が思い出されました。
 親父は、戦中に教師になり、召集令状で出兵しましたが、さいわい内地の通信兵となり、同級生の男性の中でただ2人生き残った1人となりました。戦後、教職に復職し結婚しましたが、結核となり治療のためにやめざるを得ませんでした。そして、10年間療養し、しばらく産休補助などをしたあとに、教員の採用試験を受けたのは、規定の上限ぎりぎりの40歳でした。でも合格し、中堅の年齢となってから教職を改めて始めました。ただそこで恐れ入るのは、その後数年でもう教頭、そして校長となった事です。仕事をしている親父を見た事はありませんが、よほど才能があったのでしょう。
 また、理科の教師として植物の分類を勉強し、奥山春樹先生、杉本純一郎先生、村田源先生と言った、植物分類学の国内の権威の方々と交流し、「改訂群馬県植物誌」を作成するデータの提供者の1人となりました。また、首都大学東京の「牧野標本館」に治めた標本は、個人では最も多い1000点以上に上ります。
 これだけのことを、40歳過ぎてから行ったというのですから驚きです。最盛期には、「葉に隠れた植物が見える」と言っていて、私が運転していた車を急に止めさせて、1人でごそごそと薮の中に入っていって、自慢気にシダをとってきた事があります。
 そして、その功績が認められ、祖父に次いで生前に「瑞宝双光章」を叙勲しました。
 ただ、これらのことに集中し、家庭をあまり省みず、私は遊んでもらった記憶がほとんどありません。
 その反撥でしょうか。私は大学は教育学部には進んでも、植物の勉強はしませんでした。でも、教員になってから考え直し、私も植物の勉強を始めました。そして20数年、親父が教頭になった年齢を迎えました。さすがに2代目は初代を抜く事は難しいです。部分的には、文科省(国立教育政策研究所)の委員会の一員になったり、理科教育の本や雑誌に原稿を載せたりしましたが、全体としては、職業も、専門もまだまだ追いついていません。家庭とのバランスをとりながら、親父以上に活動に手を広げている自分は、いつになったら、親父に追いつき、追い越す事ができるのでしょうか。これはもう、ほとんど強迫観念ですね。
 でも、その思いを抱きながら、これからも行きていくことになるのでしょう。
 

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家族」カテゴリの記事

コメント

おはようございます。
お父上の記事書いてくださり感激です。
そうでしたか~学者肌で穏やかで子供の興味をそそるのが非常に巧いという印象(主人も同感)の校長先生でしたがさらに素晴らしい軌跡をお持ちだったのですね。ご謙遜されてますがご子息もやはり素晴らしいじゃないですか。それに「家族」欄を拝見するとお子さんたちとほんとによく遊んでいらっしゃるし良いお父さんだな~と感心しています。
私の父も教員でしたがだれも教職に就かなかったし主人も教職ですが今のところ大学生の上2人は別の道へ、高校生の次男もなりそうもありません。
主人は岩櫃山の麓の(旧)I第一小学校の3年のときにすでに校長先生だったお父上に理科の授業に出ていただいたようです。その後吾妻鉱山に赴任さらたのかもしれませんね。
お地蔵様がきっかけですが植物の美しい写真も楽しみなのでこれからも拝見させて下さい。

投稿: かま猫 | 2010年11月21日 (日) 07時35分

 かま猫さん、こちらにもコメントありがとうございます。親父は今でも私の目標です。
 旦那さんは、父が教頭になる前に教わっているのですね。(同じ職業だと、私ともどこかでお会いしているかも知れませんね) 私の長男(まだ中学2年生)も職業をつぐ気はなくて、大学の植物学研究室に入って、そこでずっと研究するのだと言っていますが、まだ先のこと。どうなりますやら。
 これからもどうぞよろしくお願いいたします。

投稿: Frank-Ken | 2010年11月21日 (日) 08時47分

ごめんなさい!私の書き方が悪くて… 主人も すでにお父上が管理職であられた時に 授業を受けたのです。 そうしてみると 記事にあるように 受け持ちがあった時代がわずかなのですね。

投稿: かま猫 | 2010年11月21日 (日) 09時13分

 かま猫さん、わざわざすみません。そうですか。親父は管理職になっても授業を受け持っていたのですか。よほど理科が好きだったのですねぇ。いいことを教えていただきました。

投稿: Frank-Ken | 2010年11月21日 (日) 10時33分

何度も申し訳ありません。
またしても私の書き方が悪く申し訳ありません。
お父上は担任の先生が出張などでおられないときに代わって授業にでて下さったのです。
おそらくたった数回の授業でも主人も私も非常に感動できる授業という印象でした。
それにしても牧野標本館への偉業、素晴らしいですね!「葉に隠れた植物が見える」というのもすごいです。生息の様子をすべて網羅されていらしたのですね!

投稿: かま猫 | 2010年11月23日 (火) 04時24分

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