「動的平衡」を読んで
この休みに呼んだ本の中で、福岡伸一の「動的平衡」が1番楽しめました。2年前にブームになった本を今さら、という方もいらっしゃるかと思いますが、そういうブームにはそっぽをむく唐変木なもので。ただ、今回はそれで損をしてしまったな、という感じです。
この本は(この本であまり使われていない言葉での説明になりますが)、「還元主義」で「機械論的」な生命観ではなく、科学ジャーナリストの故アーサー・ケストラーが唱えたのが最初の「ホリスティック(全体論)」的な生命観に貫かれているところに非常に共感しました。特に、「ホリスティック」の重要な概念のひとつである「全体は部分の総和ではない」について、生命において総和を超える「プラスα」を、具体的に「エネルギー、情報、時間」であるとしているところが、非常に興味深かったです。
ということで、昨日、家内の実家に行って、コーヒー豆を買いに出たついでに、去年12月に出たばかりの「動的平衡2」を買ってしまいました。さっそく読んでみようかと思います。
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コメント
今晩は
「動的平衡」とは考えてみると一寸変かも。平衡状態ってマクロに見れば変化はなくても今の状態をよりこちら側に動かそうとする力と反対側に動かそうとする力が丁度均衡しているだけで、マクロには平衡状態:動きがないようでもミクロには猛烈な速度で双方向への分解、合成などが繰り返されています。
F岡博士はそれをもっと進めて、生物が熱力学の第二法則に抗せんと、単純な化学平衡よりももっと早く分解と再合成を繰り返してシステムの劣化を阻止し、維持するすることをもって「動的平衡」と言っているのだろうと思います。
言われてみれば当たり前のことのようですが、やっと生物の現象(生命現象)とは何かが少し分ったような気がします。
投稿: warbler | 2012年1月 4日 (水) 20時39分
warblerさん、コメントありがとうございます。
確かに、従来意味していた動的平衡とは、「飽和した砂糖水に角砂糖を入れても角砂糖はそのまま」でも、ミクロ的には水中の砂糖分子と角砂糖の砂糖分子が絶えず入れ代っているような状態を指していますね。
F岡博士は、それを1歩進めて、エントロピーの逆を行こうとする(=ネゲントロピーな)積極的なものを生物の平衡状態ととらえていますね。だからこそ、生物の最終的な死とその子の成長は必然だというわけですね。
投稿: Frank-Ken | 2012年1月 4日 (水) 21時22分
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
投稿: 株 | 2012年9月 9日 (日) 15時48分
株さん、コメントありがとうございます。
ひまな時は色々妙な事を巣考えたり読んだりしています。よろしかったら、またいらして下さい。
投稿: Frank-Ken | 2012年9月11日 (火) 20時13分