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2017年5月 4日 (木)

ある山村にて

D7100 + SIGMA18-300mm

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自然の豊かさを生物の種多様性を指標として示すなら、日本の場合、自然を単にそのまま保護したのでは十分ではありません。例えば森林をそのままにしておくと、種多様性が豊かな(様々な草が生えている)下生えにササが侵入してあっという間に占領してしまう(つまり種多様性が低下する)ことになります。ですから、人が進入を試みるササを刈り取ること(適度な人為的撹乱)は、下生えを保護すること、つまり豊かな種多様性の維持につながります。つまり、豊かな自然を保つには、自然の一部としての人間の活動も必要なのです。このことは学者の間では気付かれていましたが、国で正式に取り上げられたのは、2007年の第三次生物多様性国家戦略からでした。まぁ、その後も改定が続けられている生物多様性国家戦略が有効に機能しているかは、この場では脇に置いておきます・・・・
で、人間の行為がこのような種多様性を維持することにつながっているよい例に出合いました。
それは、ある山村です。そこは、気温が低いという特殊な条件(本来なら300m以上も高いところで見られるはずの植物があります)のため、地温を上げる必要があり、昔から畑に枯れ葉を敷き込んでいます。そのため、その山村の周囲の森林の林床は、春に落ち葉を集めやすくするために、ササが侵入しないようによく手入れがされています。ですから、絶滅危惧植物を含めた様々な植物が見られます。でき得れば、ここを景観保護条例等で保護していきたいくらいの、人と自然が見事に共存している場所です。
ちょうど先日、そこを訪れていたとき、農家の方々が落ち葉集めの途中で一息ついていたところに出くわしました。ここも過疎化と後継者不足で、みなさん高齢の方でした。腕章を見せ、いつもこのあたりを回っている理由を告げると、快く話の輪の中に迎えてくださいました。みなさん、専業農家として誇りを持っていらっしゃいました。しばらく話し込んでいまい、仕事の邪魔になるからと腰を上げたら、しばらく引き止められ、最後には缶コーヒーをいただいてしまいました。
理屈などわかっていなくても、この山村の方たちは、理にかなったこの方法で文字通り何百年も前から自然と共存してきたのでしょう。その証拠に、県内の人が生活を営んでいる場所で、これほど種多様性に富んでいる場所はほかにありません。
どうにかして、この山村をそのまま残していきたいものです。

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