理科教育

朝日新聞に載りました

 今日(12月8日)の朝日新聞の36面「教育欄」の「花まる先生」に、私の授業が載りました。
 小学校5年生理科の「ふりこ」の授業の導入で、ふりこの周期は、ふりこのどの要素(おもりの重さ、ふりこの長さ、ふれはば)に関係しているかを予想するという授業です。本来なら、これに1時間をかけるほどのものではないのですが、児童の思考力、表現力を高める討議を行わせるため、これにたっぷり1時間をかけました。児童も、萎縮することなく、3つの予想に分かれて、活発に賛成意見や反対意見を出し合い、その過程で「予想」や「自信度」を変えていきました。新聞では、この動きの様子はよくわからないので、「デジタル版花まる先生」(http://www.asahi.com/edu/hanamaru/)で動画を見て下さい。
 また、朝日新聞DIGITALの会員になっていれば、指導案も入手できます。
 このような授業をまた続けていきたいと思います。


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メダカを逃がさないで(小学校)

 普通、店で売られていたり、学校で買われているメダカは、正確には「ヒメダカ」と呼ばれるものです。これは、薄黒い野生のメダカの色素が薄くなりきれいな色になった突然変異のメダカを育てたものです。また最近は品種改良がされてきて、「だるまメダカ」とか「白メダカ」「蛍光メダカ」なども見られるようになりました。

 このメダカは絶滅危惧種に指定されているので、あちこちで保護する動きが出ています。でも、それに乗って学校で買っているメダカを野外に逃がすことはしないでください。メダカは淡水魚なので、水系によって互いの行き来が制限されているので、微妙に遺伝子に変異があります。それに不必要な変化を与えてしまうのです。このようなことを、「遺伝子汚染」と言います。野生のメダカは、「もともと生きてているその場所のものを増やす」ことが大切なのです。これは、ホタルなどにも言えることです。

 ですから、飼っているメダカを放流することはしないでくださいね。

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算数との連携も考えて(小4理科)

 理科では、実験結果をまとめるのに、算数的な手法が必要なことが少なくありません。前の指導要領では、この理科と算数の関連はあまり考えられていませんでしたが、今度の指導要領ではだいぶ意識されています。たとえば、小学校3年生を見てみると、算数では「体積」(前の指導要領では「かさ」でした)を、理科では形が変わっても「体積」が変わらなければ重さが変わらないことを扱うことになっています。

 でも、すべてがこううまくいくわけではありません。例えば、小学校4年生の算数では「棒グラフ」を学習しますが、理科の1日の気温の変化を表現するには「折れ線グラフ」の方が適当です。理科の教科書の中には、「折れ線グラフ」についてきちんと解説してあるものもありますが、中には説明なしで「折れ線グラフ」という言葉を出して結果をまとめるようになっている教科書もあります。理科専科の場合は難しいですが、担任が理科も算数も教える時は、「折れ線グラフ」についても触れておいた方がいいでしょう。

 一方、振り子の学習が5年生に下りてきましたが、その結果を整理するために必要な「平均」は、6年生で学習します。そこで、「ばらついている結果の、ちょうど中心をもとめる方法」などとして導入するしかありません。また逆に、6年生になって平均の弁くょうをする時には、5年生の理科の時の経験を思い起こさせるという手もあります。

 このように、理科と算数は切り離すことができませんが、その学習内容のずれを意識して学習していく必要があります。大変なようですが、担任として理科を教える場合は力の見せ所、理科専科として理科を教える場合は担任との協力関係を深めるよい機会ではないでしょうか。

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教科書の後ろにある資料を活用しよう(小3~6・理科)

 今年度から採用された理科の教科書には、年間1冊でサイズがB5のワイド版になっただけでなく、後ろに使いでのある資料を載せているものが多くあります。教科書会社によってちがいますが、表現活動(話す、話し合いをする、発表するなど)のほか、観察する時の注意点(危険な生物など)、記録のしかた(ノートの書き方など)、実験機器の使い方(アルコールランプの付け方など)を丁寧に解説してあるものもあります。

 今学んでいる所の教科書のページをこなすのが精一杯な場合も多いですが、野外観察に出る時や、主要な理科機器を使う前には、意識して底を見させることが必要ですね。

 また、「表現活動(言語活動)」についても、学年の発達段階に沿って載っています。こちらは、できたら1学期の最初に見させて、発言の仕方などをそれにそってやらせていきたい者です。

 とにかく、執筆者や編集者といったたくさんの人たちが知恵を絞って作ってある教科書です。今やっているところより後ろのページに何があるのかわからないで学習を進めるのはもったいないことです。1学期の学習が始まる前に、教科書の全体を見渡して、どう使うか考えてから授業に望みたいものですね。

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デジタル教科書(小理科)

 今回の学習指導要領の理科の認識活動においては、「具象(観察・実験の直接的感覚的活動)」と、「抽象(言語的活動や概念的思考)」の間に「半抽象・半具象」がもうけられ、三層のピラミッド構造で表されるようになりました。

 この「半具象・半抽象」には、パソコンや放送番組などが含まれていますが、最近は教科書会社が、自分の教科書を元にした「デジタル教科書」というものを作るようになりました。例えば、このようなものです。これは、プロジェクターで教科書を映すものですが、単にそれだけでなく、動画が入っていたり、重要な部分ははじめは表示されなくて、学習後に表示さたりすることなどができる、インタラクティブな構造になっています。ですから、学習の導入や、実験・観察のまとめなどには有効に使うことができます。

 これは、教科書ではなくて教材なのでもちろん有償ですが、購入して使ってみるのも有効だと思います。

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ジグソー学習(小中理科)

 「ジグソー学習」とは、「協同的な学習(コーオペレーティング学習)」の一つです。指導者が一人では準備や指導が大変かもしれませんが、理科支援員がいる場合などは挑戦してみてもいいでしょう。

 まず、一斉指導で、導入を行います。例えば、食塩を水に溶かしたときの性質を調べよう」などです。次に、実験する内容を決めます。例えば、「溶解を観察する」「蒸発させてみる」「重さを量る」の三つとします。そうしたら、各班(ホームグループ)から、それぞれの実験をやりに行く人を決めます。そして、各ホームグループから人が集まり、この場合は三つの実験グループ(エキスパートグループ)をつくり、それぞれの実験・観察を行います。そして結果が出たら、それぞれのホームグループに戻り、自分の実験・観察結果を報告し説明し合います。そして最後に、一斉指導で書くじっヶん・観察の結果を確認し、まとめます。

 TTでの授業でないと難しい反面、教え合う場面が設定されているので、子ども同士の関わり合いは深くなります。ただ、欠点としては、自分が担当した実験しか経験できないことです。理科は直接経験が重要なので、まとめた後に、補充的な学習として、自分が行わなかった実験・観察を行うことなどが考えられます。

 毎単元このような学習を行うのは大変ですが、協同的な学習の重要性が高まっている中、学期に1~2回は行ってみてはどうでしょうか。

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ワークシート「考えをまとめよう」(小理科)

 一昨日に続いてのワークシートの紹介です。
 このワークシートは、問題解決学習の「入り口」で、子ども一人一人の考えを深めるとともに、この痕に続く学習を主体的に(村山調査官の言い方では「自分事として」)取り組ませるためにつくりました。もともと、実験前の予想についての討議は10年以上前から行ってきたので、そのころから使っているものの、最終形態です。(もっと改良を重ねたかったのですが、現場を離れてしまったので、これでとまってしまいました)
 上半分が、導入(「課題」の把握)を受けての自分の「予想とその根拠」を書く部分です。そして、下半分が、討議後の「予想とその根拠」を書く部分です。

Photo_2

 これもまたJPEGファイルとなっていますが、A4判のものをを下にリンクしておきました。もしよかったら、使ってみて下さい。

「考えをまとめよう」

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循環式ワークシート(小理科)

 私は、理科の授業では普通はノートを使っていましたが、ある目的(例えば子供にある力をつけさせたい)を達成するためには、ワークシートを使ったりもしました。この「循環型ワークシート」もそのひとつです。

Photo

 これは、次のような意図でつくりました。
・理科の問題学習は、「結論」が「課題」に対する見た答えであると言う、循環構造であることを子供に意識させる。そして、問題解決学習の「出口」をしっかりと認識させながら学習に取り組ませる。
・実験前の「予想」における「根拠」を重視し、最初の「予想と根拠」と討議後の「予想と根拠」を書かせる事により、子供の「論理的な思考力」を養う。
・「実験結果」と「結論」をきちんと区別させ、その間を橋渡しする「理科的な思考力」を、「考察」を書かせる事によって育てる。

 このワークシートを使い始めたのが、中央教育審議会が今の指導要領の方向性を探り始めていた頃のことで、国立教育政策研究所のある委員会の仕事をしたり、日置調査官(当時 現在は視学官)の話を聞いているうちに思いついたものです。
 ここにアップしたものは、あくまでも汎用のもので、実際には、学習内容によって実験結果を書くところが表になっていたり、グラフになっていたりしたものをつくっていました。そして、ノートの代りに書いたものだとして、完成して私がチェックした痕で、ノートに貼らせていきました。
 もし興味がありましたら、下に汎用のものを、A4の大きさのファイルへのリンクを張っておきますので。ダウンロードして使ってみて下さい。WORDか一太郎のファイルだったら、ダウンロードした方が自由に変えられるのですが、つくったのがマッキントッシュのegwordというソフトなので互換性がありません。そのため、JPEGファイルになっています。ご容赦下さい。

循環型ワークシート

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「教えて考えさせる理科」

 これは、理科におけるいわゆる帰納的な学習法である「問題解決的な学習法」とは違った、演繹仮説的な展開による学習法を提案としている本です。監修した東京大学大学院の市川教授は、中央教育審議会の答申に「教えて考えさせる」という文言を入れた方で、編著者の鏑木元校長は、それをもとにした「先行学習」を、理科から始まり各教科で実践している方です。
 この本は、その実践の中から理科を中心に集めたものです。ちなみに、私も一単元担当させていただきました。
 この方法が絶対と言うつもりはありません。でも、「理解進化課題」など、参考になる事が色々あります。学習内容に応じて、従来の問題解決学習と並ぶ学習法の選択肢の1つとして、読んでみる意義は大きいと思います。



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理科における「表現活動」と「言語活動」(小理科)

 小学校の理科においては、「表現活動」が重視されるようになりました。また、指導要領全体としては、「言語活動」が重視されています。この二つの関係はどうなのでしょうか。

 理科の「表現活動」は、問題解決学習の「実験の前の段階」では、予想の根拠を表現することです。たんに予想を立てたのでは、それは「あてずっぽう」の可能性もあります。既習事項、生活経験、素朴概念などを根拠に予想を立てさせることが必要です。そして、それを文章に表したり、発言したりすることが、記述言語や音声言語による「表現活動」です。これはまさに「言語活動」ですね。

 では、「実験の後の段階」ではどうでしょうか。まず「実験結果」をまとめますね。これも「表現活動」です。その方法には、記述言語だけではなく、表やグラフを使う場合がありますね。記述言語(線形テキスト)はともかく、表やグラフ、絵を書くことは言語活動なのでしょうか。じつはそのなのです。これは、「非線形テキスト」であり、立派な言語活動なのです。そして、前回述べた「考察」と「結論」を書くことも、自分の考えの「表現活動」であり「言語活動」でもあります。

 このように、理科の「表現活動」は「言語活動」の一側面なのです。ですから、理科の授業においては、どんどん表現活動を行いましょう。それが、「言語活動」の情実につながるのですから。

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