物理分野

コイルの巻き数を変える時の注意(小5理科)

 小学5年生では、電磁石の性質を調べます。その中で、どうすれば電磁石の力を強くできるか調べるために、流す電流の力を強くしてみたり、コイルの巻き数を変えてみたりします。

 ここでひとつ、大きな落とし穴があります。100回巻きのコイルと200回巻きのコイルで電磁石の強さを調べる時、100回巻きのコイルは、100回巻いたらそこでエナメル線を「切って」しまちがちなのです。でもこれでは、実験の基本の1つである「条件の統一」に反してしまいます。そうですね。100回巻きと200回巻きでは、エナメル線の長さが違ってしまうのです。このことにあれていない教科書もあるので、余計に要注意です。

 この実験をする時は、100回巻きの場合は、100回巻いた後に、もう100回分のエナメル線を残して、200回巻きのコイルと同じ長さのエナメル線で実験をするようにしましょう。

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ふりこのおもりのつけかた色々(小5理科)

 小学校5年生では、振り子の等時性を学習します。糸の先におもりをぶら下げ、それを振って時間を計ってその性質を調べるわけです。

 いくつかの教科書を見比べてみると、このおもりの下げ方が本によって違っていたりします。中には、天秤でも使う力学おもりを使うものや、フィルムケースを使うものがあったりします。でも、どれも意識しているのは、おもりの重さを変えても重心の位置を変えない、すなわち振り子の長さを変えないようにしていることです。
 力学おもりを使っている場合は、縦につなげるのではなく、糸の末端に1個、2個、3個とぶら下げるようにしてありますし、フィルムケースを使っている場合は、そこに砂や鉄球などのものをめいっぱい入れることで、重心が動くことを防いでいます。

 このように、教科書によってやりかたがちがっていたり、なぜこのようにするのかを説明していない場合もありますが、原則としてそのやり方をやるようにしましょう。面倒くさがって、自分流(例えばおもりを縦につなげてぶら下げていく)にすると、重心が変わってしまい、振り子の長さが変わってしまうなどということになりかねません。

 執筆者や編集者の方々が知恵を絞って作った教科書は、それぞれが工夫し、よかれと言う方法を採用しています。経験を積んでよりよい方法を知っている場合はともかく、実験はできるだけきちんと、教科書のものに沿って行うようにしましょう。

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粘土の代わりにアルミ箔を(小3理科)

 小学校3年生では、ものの重さについての学習が加わりました。ほとんどの教科書で、粘土を使って形が変わっても、ものの重さは変わらないことを実験で確かめています。でも、やっているうちに、粘土が手にくっついたり小さな粒になってしまって落ちてしまったりして、わずかに軽くなることがあります。

 そこで、アルミ箔を使うというのはどうでしょうか。これなら、形をどのように変えても、またちぎっても、減ったりすることはありません。ためしにやってみてはどうでしょうか。

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凍ると氷が浮くってすごいこと(小4理科)

 水の三態変化の学習で、水を凍らせますね。すると、水は氷になると水に浮かびます。勿論、冷蔵庫でつくった氷を水に入れても、氷は浮きます。あまりにも当たり前の現象なので、子供も、勿論大人も疑問に感じません。でも、これは大変に珍しい性質なのです。
 物質は通常三態を持ちますが(二酸化炭素=ドライアイスは例外ですね)、密度は、「気体>液体>個体」です。ですから、熱して液体にした鉄などを覚ましていくと、下から個体になっていききます。また、そこに個体の鉄をいれると沈みます。ところが、水の密度だけは「気体>個体>液体」なのです。ですから、氷(個体)は水(液体)に浮くのです。水はこのほかにも、ほとんどのものを溶かす溶媒であり、結晶の形が決まっていません。(雪の結晶の多様な姿を思い出して下さい)
 これらのうち、氷が浮く事はその下の環境を安定させる事で、生命の発生や進化を支えてきた事が考えられています。また、ほとんどのものを溶かすと言う性質は、人間が生きていくうえで血液に様々なものを溶かして循環させている事に関係があります。
 授業でこのようなことをに振れても、4年生には「???」でしょうが、実は水は摩訶不思議な性質を持つ事を指導者は知っていてもいいでしょう。

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コンデンサーとは(小6理科)

 コンデンサーは、正しくは「電気二層式コンデンサー(キャパシタ)と呼ばれます。2本線が出ているうちの、長い方が+極で、短い方が-極です。充電や放電する時に、まちがえないようにしましょう。

 このコンデンサーは、充電式のバッテリーなどのように化学反応で蓄電するのではなく、電気をそのまま充電し、また放電することのできるものです。そして、ショートさせることで完全に放電させることができるので、実験をはじめる時に条件を統一させることができる点が便利です。

 手回し発電機で手軽に充電することができますが、その時は、以前にも書きましたが、1秒に2回程度の早さで手回し発電書きを回すようにしましょう。また、これにコンデンサーをつける場合は、低電圧発光ダイオードを使うようにしましょう。そうしないと、まだ電圧があるのに発光ダイオードが光らなくなってしまいます。

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発光ダイオードとは(小6理科)

 発光ダイオード(LED)は、今回の指導要領で本格的に導入された実験器具です。また、信号機にはだいぶ使われていますし、自動車のテールライトにも強うされるようになりました。

 これは、一定の方向に電圧を加えたときに発光する半導体素子です。白熱電球や蛍光灯とは違い、電気エネルギーが熱などのエネルギーを介さずに直接光エネルギーに変換されます。そのため、効率が高くて消費電力がきわめて低く、寿命も非常に長いです。ちなみに、白熱電球の寿命は1,000~1,500時間程度、蛍光灯でも6,000~15,000時間なのに対して、発光ダイオードの寿命は10万時間もあります。

 普通は3V以上の電圧をかけた時に発行しますが、乾電池1個(約1.5V)でも発光する低電圧タイプもあります。これなどは、かなり低い電圧でも発光するので、果物電池でも大丈夫です。

 ただ、高い電圧をかけると発熱して破損してしまうので、手回し発電機につないで発光させる場合は、保護抵抗が組み込まれている発光ダイオードをしようすると、リミッターつきの手回し発電機を使いましょう。

 それから、コンデンサーに豆電球と発光ダイオードをつないで点灯時間を比較する実験を行う場合は、低電圧タイプを使用しましょう。普通の発光ダイオードを使うと、電圧が低くなると光らなくなってしまい、豆電球の方が長く光っているという結果になってしまうからです。

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置き方を変えて主さを測ろう(小3理科)

 小学校3年生では、ものの重さと体積の関係について勉強します。

 この単元は、PISAの結果なども含めて新設された学習内容です。また、算数では「かさ」という言葉が使われてきましたが(教えていてどうしてもこの言葉に違和感を感じていましたが)、今回で「体積」という言葉に統一されました。

 この中で、長方体の物体をいろいろな面を下にして置くと重さはどうなるだろうかという学習は、意識してやって下さい。これは、前出のPISAで、日本の正答率が非常に低かったものです。おそらく、面積によって変化する圧力と不変の重さを混同している場合が多いのでしょう。

 このようなことから、形だけでなく、置き方を変えても重さは変わらないことを、小学生の早い時期にしっかりと押さえておいた方がよいと考えられます。

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ボタン型電池や磁石シートの極(小3理科)

 小学校3年生では、磁石について勉強します。

 その発展的な学習として、極の印のない磁石の極を調べるのもおもしろいでしょう。例えば、黒板にはるボタン型磁石は、面がそれぞれN極とS極になっているものもあれば、両端がN極とS極になっているものもあります。また、名札を作る時などによく使う、ゴムのシート状の磁石の場合は、一枚の中でN極とS極が交互に並んでいます。ですから、このシートの磁石はぴったり合わせることができず、必ずずれてくっつきます。

 このようなおもしろい極を持った磁石もあるので、時間がとれた時にでも調べさせてもおもしろいですね。

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酸素がなくなったので火が消えた?(小6理科)

 小学6年生で酸素の勉強をしていると、密閉されたビンの中でろうそくの炎が゜消えるのを見て、酸素が「なくなってしまたから」火が消えたと理解する子供がいます。このような子供は、「酸素が燃える」と勘違いしているのと同じくらいます。特に、燃えた後の空気の成分を実験で調べて、そこに酸素が残っていることを確かめていても、「酸素がなくなったから消えた」と思い込んでしまう子がいるので要注意です。

 ぜひ、この単元の学習では、この2つは間違いであることをきちんと押さえておきたいですね。

 ちなみに、大気の酸素濃度は約20%ですが、これがもっと多ければ、例えば風で枯れ葉がこすれ合わさっただけでも山火事が起きてしまいます。逆に少なければ、火をおこすことができません。生物の活動にとっても、この酸素の濃度が最も適しています。偶然とは言いたくないような、不思議なことですね。

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高原学校の観点から5年生でやってほしい内容(5・6年理科)

 私は今、学校現場を離れて社会教育の宿泊研修施設に勤めています。

 ここには、たくさんの小学校から高原学校(林間学校、チャレンジスクールなどといろいろな言い方がありますね)に来ます。多くは1泊2日ですが、だんだん2泊3日が増えてきました。そして、ほとんどが5年生です。

 ただ、この高原学校のプログラムに理科的な視点を当てると、6年生で習うことしています。例えば、野外炊飯で薪に火をつける方法や、キャンプファイヤーの木の組み方などです。どちらも、酸素の性質がわかると、見方が変わってきます。薪はどのように組むと空気(酸素)がよく通って燃えるか。キャンプファイヤーの木はどうして隙間を空けるように組んであるのか、などです。

 私が野外炊飯を担当する場合は、6年生で学習する酸素のことに少し触れて、割って細くした薪はくしゃくしゃにした新聞紙の上に平行に並べるよりも、軽く丸めた新聞紙を中心としてピラミッド状に組むと空気がよく通って燃えやすいことを説明しています。

 でも、キャンプファイヤーの木の組み方とその理由は説明する機会がありません。でも、6年生になって酸素の性質を学習する時に、その組み方を思い出させようというのはちょっと無理な話ですね。

 そんなわけで、せっかくのこのような体験をしておきながら、この「酸素の性質」については理科の学習に結びつかないのです。ですから、今の私の立場から言うと、5年生でこの「酸素の性質」を学習してから、この施設に来てほしいと思います。そうすれば、問題解決学習の過程の最後の段階である、生活との結びつきにぴったりなのですが。とてももったいない気がします。

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