安全指導

並列つなぎがショート回路になる!?(小4理科)

 乾電池は、間に抵抗(モーターや豆電球など)を挟まずに+極とマイナス極をつなぐと、いわゆる短絡回路(ショート回路)となってしまい、1度にたくさんの電流が流れて、電池が発熱したり最悪の場合破裂したりします。

 この事は、小学校3年生の時の安全指導でしてあるはずです。そして、4年生になって、二つの乾電池のつなぎ方を学習する時も、これは大事な注意事項です。ところが、自分は並列回路を作ったつもりなのに、じつはショート回路を作ってしまったということがあるのです。それは、電池の向きが逆の並列回路を作ってしまった場合です。このような回路を作ると、二つの乾電池によるショート回路になってしまうわけですから、危険度が一個の時よりもぐっとまします。

 そんなミスをする子どもはいないだろうという方がいるかもしれません。でも、私が教えた子供の中には、実際にいました。ただ単に乾電池を横に並べた回路をつくればいいと思って、そのようにしてしまったのです。幸いすぐに気づいたので、特に事故になりませんでしたが、自分の指導の不徹底さに反省した記憶があります。

 事故は、指導者側が予想もしなかったシチュエーションで起こることがあります。安全指導を徹底するだけでなく、常時指導をしっかりとし、さらに子供の実験の様子をきちんとチェックしていきたいものですね。

 もしこの記事が参考になりましたら、下のバナーをクリックして下さい。お願いいたします。

にほんブログ村 教育ブログ 理科教育へ

にほんブログ村

| | コメント (0) | トラックバック (0)

川での観察における注意事項(小5理科)

 川の働きを調べるために、実際に川に観察に行くことはとても重要なことです。でも、学校周辺での観察に比べると危険が多く、それ相応の事前指導と準備をしていくことを忘れてはなりません。

 まず、最近はまたツツガムシ病が増えているので、その地域である場合は、ヨシ原には入らせないようにすることです。

 服装は、長袖長ズボンと運動靴です。水に入るからと言っても、サンダルはあまり感心しません。滑りやすい岩の上で踏ん張ったりするには不向きですし、軽いので流されて言ってしまうことがあります。また、川遊びもかねて浮き輪を持っていって使わせるのも考え物です。中流以上の川だと流れの速いところがあり、あっというまに浮き輪ごと流されてしまうことがあります。また、夏場でも水温は低いので、遊びで急に飛び込んだりしないことも大切です。それから、急に深くなっているところや、予想以上に流れが急なところもあります。観察の時には十分に注意させましょう。

 それから、下流や湖沼で観察する場合は、底が泥になっている場所には入らないことが大切です。うっかりはまり、抜け出せなくなってしまう恐れがあります。

 指導者の持ち物としては、抗ヒスタミン剤入りの軟膏や絆創膏などの常備品に加えて、水筒かペットボトルに真水を持っていきましょう。傷口を洗う時などに必要です。

 もしこの記事が参考になりましたら、下のバナーをクリックして下さい。お願いいたします。

にほんブログ村 教育ブログ 理科教育へ

にほんブログ村

| | コメント (0) | トラックバック (0)

クラゲに刺されたら(小・中臨海学校)

 理科の野外活動で海に入ることはまずないと思いますが、臨海学校などの場合を考え、クラゲに対する対処法も紹介しておきましょう。

 クラゲは、触手にある細胞から無数の毒針を打ち出すことによって刺します。ですから、直接皮膚が海水に触れていないと安心です。盆を過ぎると、海にもクラゲが増えてきます。素肌で潜るのではなく、上下一枚何かを着て海に入るのが1番の予防法です。

でも、クラゲは海辺に打ち上げられている場合もあります。例えば、刺されたときの痛さから「電気クラゲ」と呼ばれるカツオノエボシなどは、そのガラス細工のような体が海岸に打ち上げられていることがあります。本体は死んでいてもその触手は生きている場合がありますので、持ってみたり素足で踏みつけたりはしないようにしましょう。

 もし刺されたら、まず患部を海水につけてタオルなどでこすり、毒針を洗い落とします。次に、例のごとく抗ヒスタミン剤入りの軟膏を塗ります。巣をかけたり、塩を塗ったりする民間療法がありますが、効果はありません。

 そして、まだ水着に触手がついているかもしれないのでシャワーでよく洗ってから、着替えるようにしましょう。そして、日陰でしばらく安静にしましょう。

 もしこの記事が参考になりましたら、下のバナーをクリックして下さい。お願いいたします。

にほんブログ村 教育ブログ 理科教育へ

にほんブログ村

| | コメント (0) | トラックバック (0)

大型のムカデにも注意(小・中理科)

 ムカデにかまれた時もアンモニア水をぬるといいと思われがちですが、これも間違いです。ハチの場合と同じく、抗ヒスタミン剤入りの軟膏を塗って冷やすのが基本です。

 特に、体長が10cmもあるようなズアカムカデなどにかまれると相当痛いので、春の生き物を探すために石をどかしたり、石垣の隙間に不用意に手を入れる時は注意をするように、事前に指導をしておくといいでしょう。

 もしこの記事が参考になりましたら、下のバナーをクリックして下さい。お願いいたします。

にほんブログ村 教育ブログ 理科教育へ

にほんブログ村

| | コメント (0) | トラックバック (0)

毛虫に対しては(小・中理科)

 毛虫を無条件に怖がる子もいますが、毒を持っている毛虫は限られています。また、毒は持っていなくても、その針が刺さって痛いものもあります。

 もしそのような毛虫に刺されたら、こすらないようにして、よく水洗いをしましょう。そして、抗ヒスタミン剤入りの軟膏を塗ります。そして、かゆくてもかかないように、ぬれタオルなどで覆うのがいいでしょう。

 ドクガの幼虫が、名前の通り毒を持つ最も一般的なものです。図鑑などで、その姿を確かめておきましょう。もしこの毒針が皮膚についたらすぐに水洗いですが、服についたものは粘着テープなどで取りましょう。

 イラガの仲間の幼虫に刺されると、非常に痛みます。これも、同様に手当をしましょう。

 このほか、カレハガの幼虫が毒針を持っています。でも、一般的に、毛の生えているガの幼虫には触れないようにした方が安全です。ただ、危険だからと言って遠ざけさせるだけでは、自然の観察としては十分とは言えないと思います。安全に気をつけながら、葉を食べる様子を観察させるだけの安全指導と心の余裕を持ちたいものです。

 もしこの記事が参考になりましたら、下のバナーをクリックして下さい。お願いいたします。

にほんブログ村 教育ブログ 理科教育へ

にほんブログ村

| | コメント (0) | トラックバック (0)

血を吸う昆虫たち(小・中理科)

 今まで述べてきたように、何かに刺されたりした時の対応の基本は、傷口をきれいにして抗ヒスタミン剤入りの軟膏を塗ることです。これは、血を吸う昆虫の場合も同様です。そして、かゆくなる場合が多いので、冷やすなどしてかゆみを抑える工夫が必要です。

 血を吸う昆虫と言えば「カ」が代表的ですが、あまり軽視もできません。一度に大量に刺されると、アナフィラキシーショック(激しいアレルギー反応)を起こすことがありますから、注意しましょう。カは口器を皮膚に刺すと、血液凝固帽子物質を注入してから血を吸います。この物質がヒスタミンの分泌を誘うので、ぷっくりふくれてかゆくなるのです。

 小型の昆虫でブユも口器で血を吸います。これに座れた後のかゆみは、長いときには数週間も続くので、刺されないように注意したいものです。

 アブの仲間は口器で皮膚を切って血を吸います。激しく痛むので、ハチと勘違いされることも多いようです。ただ、毒はないのでかゆみなどが続くことはありません。

 もしこの記事が参考になりましたら、下のバナーをクリックして下さい。お願いいたします。

にほんブログ村 教育ブログ 理科教育へ

にほんブログ村

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ハチ毒にはアンモニアは役立たない(小・中理科)

 ハチに対しては、多くの子どもが敏感です。無害のハチであっても、教室に入って飛び回ることにでもなったら、子供たちは大騒ぎになるかもしれません。でも、子供たちが右往左往して走り回ったりすると、逆にハチを興奮させてしまうことがありますので、気をつけましょう。

 野外でのハチ対策の第一歩は、「下見」です。野外観察をする周辺にハチの巣はないか確認をしておきましょう。そしてもしあって、それがスズメバチなどの危険なものの巣であったなら、無理に除去してしまうのではなく、場所を変えたり、変えられなかった場合は自治体の窓口に相談したりしましょう。

 昔からハチに刺された時の対応法は、アンモニア水をぬることでした。でも、ハチの毒性分はタンパク質なのでききません。まず、刺されたところを水洗いをすることが大切です。次に、抗ヒスタミン剤入りの軟膏を塗り、冷やしましょう。以前に刺されたことがある場合は、アナフィラキシーショック(激しいアレルギー反応)を起こす可能性がありますから、処置をしてからしばらく様子を見る必要があります。

 1番毒性の強いのはスズメバチの仲間ですが、巣に近づきすぎた場合、数匹が飛び回ってあごをかちかちと鳴らして警告するので、静かにそっと離れましょう。

 アシナガバチの場合は、巣を刺激しなければ普通はおそってきません。でも、毒性は強くて刺されるとかなり痛いです。

 ミツバチは毒は弱いのですが、集団でおそってくるので油断は禁物です。刺された場合、針と毒嚢が皮膚に残るので、取るようにしましょう。

 クマバチはその大きさと姿から一般的に恐れられていますが、実際には穏やかなハチで刺すことはまずありません。

 もしこの記事が参考になりましたら、下のバナーをクリックして下さい。お願いいたします。

にほんブログ村 教育ブログ 理科教育へ

にほんブログ村

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ヘビにかまれたら(小・中理科)

 野外観察をする時には、それが校庭であっても、安全指導は忘れないようにしましょう。それが学校外の場合は、救急セットなどを持って行くことは忘れてはいけないことです。

 それでも、野外観察にはトラブルがつきものです。今回は、その中からヘビにかまれた場合を紹介します。

 野外でヘビに出会うと、逃げ帰る子もいれば度胸を示そうとして尾を持って振り回して地面にぶつけ、殺してしまう子もいるでしょう。どちらにしても、子供たちに感情面で大きな動揺を及ぼすことでしょう。このような場合、まず第1は指導者がヘビを嫌悪する態度を見せないことです。そして、食物連鎖の大切な担い手であることから、恐怖心を強調したり、無益な殺生をするのではなく、静かな出会いと別れを大切にしたいものです。

 それでも、万が一かまれた場合は、まず第1に冷静になること、次に早期の受診をすることです。本州で毒を持つのはマムシとヤマカガシです。

 マムシはともかく、ヤマカガシは無毒のヘビと思われている場合が多いのですが、実際にはコブラに匹敵する毒の持ち主です。ただ、毒牙がのどの奥深くにあるので、軽くかまれただけでは大丈夫なだけで、深くかまれた場合、命にかかわることもあります。かまれてから数時間たってから出血が始まり、皮下出血、血尿などの症状が出ます。また、首の部分に毒腺を持ち強くつまむと白い毒液が出ます。その毒がついたまま目をこすったりすると失明の危険もあります。

 一方、マムシの毒牙は前方につきだしているので確実に毒が注入されます。そして、かまれた直後からはれと痛みがあり、吐き気やしびれがおきます。ただ、マムシの毒は考えられているより弱く、致死率は一万人に一人と言われるほどです。

 これらのヘビにかまれた時は、どちらのヘビか確認することです。毒を吸い出すなどの行為はほとんど意味がありません。できるだけ早く、そのヘビに合った血清を注射することで治療します。

 また、アオダイショウなどの無毒のヘビにかまれた場合も、雑菌による感染が考えられるため、かまれたところをよく洗い、消毒をします。そして、一応医者に診せた方がいいでしょう。

 怖いことも書いてしまいましたが、1番は「慌てずにヘビの種類を確かめ、それに合った対応をする」ことです。

 もしこの記事が参考になりましたら、下のバナーをクリックして下さい。お願いいたします。

にほんブログ村 教育ブログ 理科教育へ

にほんブログ村

| | コメント (2) | トラックバック (0)